着物を着るということは、着付けだけでなく、手入れ、保管の知恵、半衿付けなどの針仕事がともないます。
昔は母や祖母に教えられ自然と覚えたことも、現代では「伝承」ということ自体あらゆる面で途切れています。
着物という素晴らしい衣装文化も、ノウハウの伝承があってこそです。
着物や帯をさわる前には手を洗うようにしましょう。
汚れた手で着物や帯をうっかり触ると汚れてしまうことがあり、最悪シミが残ったりします。
シミ抜きは小さな汚れでも費用がかかります。さわる前に手を洗う習慣を付けましょう。
他人の着物を扱う時はなおさらです。
着物のたたみかたを覚えましょう。たためないと着物を傷めることにもなりかねません。
着付けはできなくてもたたみ方は覚えておきましょう。
着物、長襦袢、羽織、コートなどの構造が分かるようになります。 とりあえず覚えておいて損はないです。
きもののたたみ方を覚えたのは、いくつのときであっただろうか。脇を折り、衽の縫い目を折る。
襟下も両方のちゃんと寸法が合うしかけになっている巧妙なできに感心し、たたみ方を覚えた。
その会得の誇らしさのその日から、ほんとに、きものというものが私の身近になった気がする。
中村汀女『蜜蜂の箱』(冬青社)より
忙しい現代ですが、着物をお召しになる時は余裕を持ってお支度下さい。
何を着るか心づもりが出来た時点で着物や帯、小物などを一度点検してみて下さい。
シミやカビ、虫食いなどはありませんか?
思わぬところに汚れがあって、着ているあいだじゅう気になって楽しさ半減なんてことにならないように。
たまに箪笥から着物を出して見てあげて下さい。(これは着物や帯を新しい空気に触れさせて、湿気を飛ばし、カビになりにくくする効果もあります。)
プロに依頼すれば、大抵のトラブルは解消しますが、それもこれも時間的余裕があってこそです。
仕立、加工も余裕を持って
呉服の加工は多くは人手による作業です。
急がせすぎると、とりあえず「合格」の仕事で終わることが多いのはどんな仕事も同じでしょう。
また、特急料金という別料金を請求されることもあります。
人がする仕事は、時間的に余裕があるほうが良い仕事ができるのは他の業界でも同じだと思います。
着用後は湿気を取り除くため数時間(約半日)陰干しをしてください。
自分では気づかなくても、脇の下や帯の下は案外汗をかいているものです。
裾のハネも気づきにくいものです。
また、つり下げて干すことで大概のしわが取れます。(着始めの数回はなかなかなかシワが取れなかったり、シワになりやすい事がありますが、何回か着込む内に落ち着いてくることはよくあります。)
念を入れすぎて長くハンガーに掛けっぱなしにしておくと、焼けや型崩れの原因になります。
とくに窓際など着物に直接光が当たる場所に干すと色焼けがおこります。日光ばかりでなく、室内の照明器具でも色焼けははおこります。
長期間放置しないように注意してください。
その後ビロードなどのやわらかい布やブラシで着物の布目に沿ってホコリを落とします。
シワが取れていないときは、当て布をしてアイロンをかけておく。(絹物にはスチームアイロンや高熱でのアイロン掛け不可)
食べこぼしや血など、タンパク質の汚れがある場合熱を加えることは厳禁です。蛋白質が固まってしまって落ちなくなります。
文庫紙(たとう紙)に入れて(通気性の良いものを選んで下さい)、通気性の良い桐箪笥などにしまってください。
防虫・防カビ・調湿剤を点検して有効期限の切れたものは入れ替えて下さい。
しまいっぱなしが着物には一番いけません。未着用のものでもカビは生えます。時々タンスから出して風に当てがてら点検して下さい。
汚れ、シミ、カビを発見したら、
後回しにしたり、溜め込まず、早めに処置をして下さい。
早い時期なら簡単に取れるカビやシミも、時間が経ち過ぎると、プロといえどもきれいには取れなくなります。
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